カモ歴史日記

史跡巡りや戦国考察など

吉田郡山城と尼子久幸の墓(12/26)

  昨日の夜の段階で降っていた雨は朝になっても降り続いていました。これはもうダメだなぁと思ったけれど、そもそも今回の旅の目的は、晴久の命日に菩提寺・墓を訪問することと安芸高田市歴史民俗博物館へ行くことの二つだったので、安芸高田市に行かない訳にもいかないのです。

  しかし、朝食を食べた後 ホテルでのんびりしていたら、いつのまにか雨が止み、曇りになっていました。このチャンスを逃すわけにいくかと、急いで広島駅から広島バスセンターへ行き、吉田出張所行きのバスに乗りました。80個近い停留所を乗り過ごし、ようやく「安芸高田市市役所前」のバス停へ。長かった…2時間近くかかった…。

  まずは目的だった「安芸高田市歴史民俗博物館」へ。

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  ここに来たのは12月上旬までやっていた「高橋一族展」の資料を手に入れるためで、長谷川博史先生や秋山伸隆先生、森岡弘典氏の講演のレジュメをゲットすることができました。

  館が広いこともあって、古代から現代までの安芸高田市の歴史が時系列に沿ってわかりやすく展示されていて、ここだけでも来る価値はあると思う。また、私が来た段階では高橋展のパネルが一部残っていて、それを見ることもできた。やったぜ。

  中でも興味深かったのは高校生が制作した吉田郡山合戦のアニメーション。ぬるぬる動いていて、結構面白かった。私以外に人がいなかったこともあって、ついつい全部見てしまった。

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  甲冑に着替えれる場所もあったけど、この時私は一人だったので さすがにはしゃげない。しかも この場所、受付からは丸見えなのです。こいつは痛い。着替えるのは無理だ。写真だけ撮って逃げ帰りました。

  まだ雨は止んでいたので、このまま吉田郡山城へ。途中から雨が降ってくる可能性も考えたけど、せっかく曇りになってくれたので、今行くしかない。

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  博物館から郡山城へ向かう道の途中には登山用杖の貸出場所があった。せっかくなので借りていく。後々、意外と道が険しいことが判明したので役に立った。

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  ルートを確認して出発!雨が降る前に撤退しなければ…。

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  屋敷跡や元就火葬場を通り過ぎ、どんどん先へ向かう。いつもならもう少しじっくり見るけど、いつ雨が降り始めるかわからない今、私には時間がないんだ。

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  毛利元就・輝元時代に掘られたという「薬研堀」。とうとう郡山城に来たぞ!という気持ちになる。

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  振り返ると、尼子晴久達が陣したという青山と光井山(総称:青光井山)が見えた。風越山から移って、撤退するまで拠点だったという場所…こんなん絶対行きたいよ!まぁ今回は時間・天気的に無理だけど…いつか絶対来てやるからな!

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  道を突き進んでいくと少しずつ石垣が見えてきた。積もった落ち葉もないほどに整備されていて、雨が降り出してもこれならいけるか?と思いつつ、しばらく進んでいけば毛利一族の墓所にたどり着く。

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  かつてはここに毛利元就菩提寺である洞春寺があったとされる。その他、百万一心の碑や興元、幸松丸、祖先らの墓などがあった。とはいえ墓所には鍵がかかっていたため、中には入れなかった。うーん、残念…。まぁ別に毛利に思い入れは然程ないのでいいのだけれども。

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  休憩所でもう一度ルートを確認し、歩いていく。立派な墓があるので誰のか見てみると、嘯岳禅師という人物のお墓だそう。洞春寺を建てたのはこの人らしい。

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  ここら辺から段々と山道になっていく。古墳なんかもあって、山らしくなってきた。
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  麓は落ち葉もほとんどなかったけど、道を進むにつれて落ち葉が増え、道も荒くなっていく。なるほど、最初に油断させておいて、後々追いつめていくわけか。おのれ毛利 汚い手を使いおって…!

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  ひたすら山道を歩いていくと、ようやく御蔵屋敷跡にたどり着く。まだ雨は降らないが、油断は禁物。足早に次の地へ。

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  二の丸・本丸へ行く前に、近場の曲輪である「釣井の壇」へ。ここには石組の井戸が存在していた。次に隣の曲輪である「姫の丸」へ行こうとしたのだけれど、道が険しかったため先に二の丸へ行くことに。

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  土塁跡を横目に急いで二の丸へ。本丸へ近づくほど道は険しくなっていく。麓の整備された道とは大違いだ。この道を雨の中突き進むのは危険だ、早く行こう。

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  本丸到着。ここが山全体の頂上でもあり、標高約390m、比高190m。ここを中心に元就は郡山城を拡大していったらしい。

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  順番は前後したけれど、次に三の丸へ。ここが城内最大の曲輪で、石塁跡も確認できる。

  三の丸・二の丸・本丸は制覇したので一応満足(*´ω`*)。でも、どうせなら見逃した曲輪群も見てから下山しよう。

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  厩の壇跡。
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  勢溜の壇跡。十段の曲輪からできている巨大な壇。
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  満願寺跡。

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  尾崎丸堀切。今思うと色々なアングルで撮ってて、どう撮るか苦心した様子が伺えるな…。なんか恥ずかしい。

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  本城の本丸も行ってみたかったけど、諦めて下山。展望台からは青光井山が見えた。他にも史跡いっぱいあるなぁ…いつか車使って この辺全部回る旅がしたい。

  展望台を過ぎた辺りで小雨が降り始めてきた。危なかった…間一髪!あと少しタイミングがずれてたらヤバかったな…さすが私、神に愛されてる。

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  下山した先には郡山公園が。とはいえ、雨が降ってきた以上のんびりはしていられないので、慌てて写真だけ撮って通り過ぎる。後々見たら、写真ブレブレでした。もぉ〜歩きながら撮るから〜。

  杖を借りていたので返しに博物館方面へ戻る。雨は小雨なので、まだ大丈夫そう。できることなら「尼子久幸の墓」にも行きたいんだ。吉田郡山城は山なので雨が降ったら気持ち的に諦めれるのだけれど、久幸の墓は位置的にほとんど山道を歩かないのでセーフな気がする…。時間も3時を過ぎていたので、本当は帰った方がいいのだろうけど、たぶん私はここで行かない選択をする方が後悔する…。色々悩んだ結果、行くことにしました。よいこはマネしないでね☆

 

  安芸高田市歴史民俗博物館から尼子久幸の墓までは、歩いておよそ一時間ぐらい。大丈夫、なんとかなる!

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  ルート的に途中、宮崎神社の横を通る。急いでいるけど、史跡は気になる。説明碑だけ読もうと見てみれば「尼子の陣地となって激戦が行われた」の文字。はぁー無理。寄る。尼子の字を見て素通りなんて私ができるわけないだろ。

  写真は撮っていませんが、ここ 階段が激ヤバです。傘さしながら登るのは結構しんどかった。

  寄り道してしまったけど、まだまだ道のりは長い。急いで行かなければ。

  さて、ここへ行く時 私はgoogle mapsを使っていたんだけれど、久幸の墓まであと少しというところで見事に迷いました。理由はですね、Googleは下図の青ルートで行けと言うのですが、その通りに行くと下のような坂道を登って最終的にフェンス乗り越えて行けみたいな感じになってしまうのです。

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  正解は赤ルートのように道路を真っ直ぐに行きます。そうすれば案内看板↓があるので普通に行けます。

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  山の裏手(↓下図)にも入れそうな場所はありますが、針金で止めてあってこちらからは入れないようになっています。無理矢理開けるのはダメです。

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  私はGoogleに翻弄されて、山の周りをぐるっと一周する羽目になりました。大幅なタイムロス!辺りは暗くなってきてしまいました。許さんぞ、Google…!
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  ほんの少し山道を登っていって、一番奥にあるのが尼子久幸の墓。

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  色々あったけど、ようやく着けました。あぁ…会いたかったよ、久幸(の墓)…!

  晴久の墓参りの時に買った線香をあげてお参り。迷子になった所為とはいえ、道のりが長かった分、感慨深い。しかし、辺りが急速に暗くなってきているので、のんびりしてる訳にもいかない。ここから急いでバス停へ。最寄りのバス停でも30分以上は歩かないといけないので、日が短くなっている季節は早めに切り上げないとダメだというのを痛感する。なんとかバス停まで行くと、ちょうどあと数分でバスが来るという絶好のタイミング。やっぱついてるなぁ、私。

  そんなこんなで今回の島根・広島の旅は終了です。

  というわけで、2019年の年末 城納めは吉田郡山城、史跡納めは尼子久幸の墓になりました。

  更新してるのが1月なので年変わってるけど、史跡と尼子で充実した良い一年でしたね。また2020年も史跡行きまくるぞー!おぉー!